Inkscape (インクスケープ)講座

星型正多角形の描き方


星型正多角形

星型正多角形とは

星型正多角形とは星形多角形の一種で、下図のように2つの先端が一直線で結ばれている図形を指します。
星型正五角形は五芒星、星形正六角形は六芒星とも言います。

星型正多角形

Inkscape で星型正多角形を描くにはちょっとしたコツが必要なので、このページではそれについて解説します。

星形ツールの基本

星形ツールを使って描く星型

星形ツールを使う事で、自由自在に星を描く事ができます。

星形ツール

ツールボックス(画面左端に表示)から星形ツールをクリック(またはショートカットキー*)したら、ツールコントロールバー内の「星形」をクリックします。
試しに角を「5」、スポーク比(後述)を「0.500」にします。描画エリア内でクリック&ドラッグで星型五角形を描く事ができます。クリックしたポイントが星型の中心点になり、ドラッグした距離により大きさ、方向で傾き加減が決まります。

スポーク比とは

図解:スポーク比とは

先ほど書いた星型五角形でスポーク比を「0.500」にしましたが、それが何を意味しているのか五角形をベースにした星型(左図参照)説明します。

五角形の中心点(O)から先端(A)までの長さを r 1、先端の中間の頂点(B)までの長さを r 2 とした場合、r 2 / r 1スポーク比と定義します。
r 1 = r 2 の場合はスポーク比が 1 になり、星型ではなく正十角形になります。

スポーク比による星型の変化

スポーク比は最大 1.000 から最少 0.000 の値を取る事ができます。
下図では星型五角形のスポーク比を 0.100 ずつ変えた際にどのような変化がみられるかを表しています。

スポーク比による星形の変化

スポーク比を使って描く方法

星型正多角形のスポーク比

スポーク比の求め方

N個の角を持つ星型正多角形のスポーク比は左記の公式で解を求める事ができます(参考)。
n は密度を現し、2以上N/2未満の整数です。

下記の表では星型正二十角形までのスポーク比を掲載します。

図形スポーク比
5星型正五角形0.382
6星型正六角形0.577
7星型正七角形0.692, 0.357
8星型正八角形0.765, 0.541
9星型正九角形0.815, 0.653, 0.347
10星型正十角形0.851, 0.727, 0.526
11星型正十一角形0.877, 0.778, 0.634, 0.343
12星型正十二角形0.897, 0.817, 0.707, 0.518
13星型正十三角形0.912, 0.845, 0.759, 0.624, 0.340
14星型正十四角形0.924, 0.868, 0.797, 0.696, 0.513
15星型正十五角形0.934, 0.886, 0.827, 0.747, 0.618, 0.338
16星型正十六角形0.942, 0.900, 0.850, 0.786, 0.689, 0.510
17星型正十七角形0.949, 0.912, 0.869, 0.815, 0.740, 0.614, 0.337
18星型正十八角形0.954, 0.922, 0.885, 0.839, 0.778, 0.684, 0.508
19星型正十九角形0.959, 0.930, 0.897, 0.858, 0.808, 0.734, 0.611, 0.336
20星型正二十角形0.963, 0.937, 0.908, 0.874, 0.831, 0.772, 0.681, 0.506

スポーク比を使って描く

スポーク比さえ分かれば、その値を「スポーク比」欄に入力する事で星型正多角形を描く事が可能です。

星形ツールのスポーク比欄

上記の表でスポーク比が複数ある図形は、その数だけ別個の星型正多角形が存在します。

正多角形から描く方法

スポーク比を使わずに描く

正多角形から直接星型正多角形を描く方法があります。
やや面倒ですが、正確なスポーク比が分からない場合で、どうしても星型正多角形を描かなければいけないケースでは役に立つので知っておいて損はないでしょう。

今回の例では五芒星を描いてみたいと思います。
まずは星形ツール(1)の多角形(2)で正五角形を描きます。
画面左端にあるスナップコントロールバーの一番上のボタンを押してスナップを有効(3)にしたら「ノードまたはハンドルをスナップ」というボタンを押します(4)。続いて「シャープノードにスナップ」というボタンも押します。もしスナップコントロールバーが表示されていない場合は、「表示」メニュー下の「表示/非表示」から「スナップコントロールバー」にチェックをつけると画面端に表示されます。

ペンツールを使い、正五角形の頂点を A → B → C → D → E → A の順番でつなぎ五芒星にします。
「シャープノードにスナップ」が効いているので、マウスカーソルが頂点に近付くと自動的に頂点にスナップするはずです。

正五角形の頂点をつなぐ

選択ツール(7)を使い、必要のなくなった正五角形を消します。そして五芒星をクリックし“選択”状態(8)にし、パスメニューから「統合」を選びます(ショートカット:Ctrl + +)。

五芒星を統合 統合の結果

パスを統合した事により星型正五角形が完成しました。
このようにスポーク比が分からなくても星型正多角形を描けます。

今回は正五角形を使いましたが、同様の手順を取ればどの正多角形からでも星型正多角形を描く事が可能です。ただし多数の頂点を持つ正多角形から星形正多角形を描く場合、結ぶ頂点の数が多くなります。面倒な事はもとより、つなぎ間違いもしやすいので、やはりスポーク比を使って描く方が良いでしょう。