プロローグ

ハイパーテクノロジーの急速な発達と共にあらゆる分野に進出した多足歩行式大型マニピュレーター … レイバー。
しかしそれはレイバー犯罪と呼ばれる新たな社会的驚異を産む事になった。

続発するレイバー犯罪に対抗すべく、警視庁は特殊部隊を創設した。
その名もパトロールレイバー中隊 … 通称パトレイバー！

オープニング

父と娘の会話

すみか
お父さん、どうしたの？
どうして止めてしまうの？
父
……
すみか
ねえ！ どうして？
父
……。合理化ってやつなんだよ。
お父さんはもう、ここの持ち主じゃないんだ。
すみか
じゃあ、お父さんの工場はどうなるの？
父
安心しろ、すみか。
うちのシステムの一部は、ちゃんと受け継がれる。篠原重工にな。

グスタフ・プロジェクト

三鷹
入りますよ。
お？ またいねえや。沢弥さん。
…… イングラムの切り抜きかあ。あの人も好きだよな。
うちみたいな下り坂の研究所なんてこないでそれこそ篠原にでも行けばよかったのに。
頭はいいんだからさ。
沢弥
それはどうも。
三鷹
わっ！ いらっしゃったんですか。人が悪いなあ。
沢弥
下り坂の研究所がなんですって？
三鷹
ええ、いやまあ。イングラムが好きなんだなあ、と。
沢弥
ふふ……。そうね。恋してるのね、きっと。
三鷹
え？
沢弥
ね。力を貸してくれない？
あなたもこんな下り坂の研究所に一生いるつもりはないでしょ？
三鷹
えええ？ なんです？
沢弥
一度は、研究者としての力を試してみたいじゃない？
大企業ばかりがレイバー開発を独占してる今の状況もへんだと思うでしょ？
三鷹
はあ。それはまあ。
でも金がかかりますし、とても現実には……
沢弥
お金は何とかすると言ったら？
三鷹
……。ほんとなんすか、沢弥さん。
沢弥
ええ。
三鷹
ほんとならやりたいっすよ。
そりゃ誰だって思うんじゃないすか？
沢弥
よし。決まりね。

（2人の男が入室する）
沢弥
仲間を紹介するわ。
三鷹
お、おまえらも……？
沢弥
余計な詮索はなし。
ようこそ、グスタフ・プロジェクトに。