プロローグ

ハイラル王国の最南端に位置するトアル村 ---

牧草地帯に囲まれたこの小さな村で、村一番の乗馬の名手であり、将来、村長となることを望まれていた青年がいた。名はリンク。
村人からの信頼も厚く、子供たちにとってはリーダー的な存在であったリンクは、剣術の使い手であるモイから教えられた剣技を披露して人気の的になっていた。

ある日、子供たちに剣技を披露している所に、ふいに猿が一匹現れる。「あっ、あいつ最近、村でイタズラばかりしている猿だ!追いかけろ!」そう声を上げると、子供たちは猿を追いかけて森の中へ入ってしまった。リンクは、子供たちを探しに森に入り、無数のモンスターと戦い、檻に捕らえられたサルと子どもを救出する。

この森はこんな危険な場所ではなかったはず…。

一夜明けて、今日はモイの推薦でハイラル城に献上品を届ける大役を果たす日。リンクは、牧場での仕事をこなしたあと、愛馬エポナとともに村へ戻った。そして、昨日の騒動でエポナにけがをさせてしまったことを、幼なじみのイリアにひどく咎められてしまう。
精霊の泉でエポナの傷を癒すイリアは、リンクがどんなに説明しても機嫌を直してくれない。リンクを慕う少年コリンが事情を説明し、何とか誤解を解くと、イリアはリンクに本心を打ち明けた。

「無茶はしないで…無事に帰ってきて」

そのとき…

巨大な猪にまたがったモンスター達が、泉の門を破壊してリンク達を襲った。

不意をつかれて襲われたリンクは気絶し、気づいたときには、すでにコリンとイリアは連れ去られてしまったあとだった…。