パリ万博の消えた貴婦人

1889年、フランス。
万国博覧会が開かれていたパリの街を、一組の母娘が訪れた。
ホテルに到着した母娘だったが、母親は体調が優れず、部屋に入るや否や倒れこんでしまった。
ホテル付の医師を呼んだが手に負えず、別の医師の応援が必要だと聞いた娘は、あわててホテルを飛び出す。

ようやく見つけた医師を伴い娘がホテルに戻ったときには、数時間が経過していた。
娘「母は‥‥母は大丈夫でしょうか!?」
しかし、従業員は怪訝な顔をしてこう言った。
従業員「失礼ですが、お客様は、元々お一人でご宿泊されていらっしゃいますが‥‥」
娘「そ‥‥そんなばかな‥‥!」

こうして、母親は娘の前から消えた。
一切の痕跡を残さず‥‥
まるで神隠しにあったかのように‥‥

呪いの館

水納守村に『呪いの館』と呼ばれる古びた屋敷があります。
百年前、「オヤカタ様」という村の指導者が住んでいた屋敷だそうです。

十年くらい前から、財宝が隠されているといった噂が広まって‥‥
それを盗もうと忍びこんだ人間や遊び場にしようとした暴走族が次々に死体で発見されて‥‥
結局、警察の調べで事故として処理されたんですが、今度は別の噂が‥‥
その人たちはオヤカタ様の呪いによって殺された、と‥‥