時のオカリナ エンディングの解釈
魔王ガノンがリンクに倒され、賢者たちの力で封印される事で、ハイラルに平和が訪れます。
その後、ゼルダ姫はリンクに次のように告げます。
これまでの悲劇は すべて私のあやまちです…
おのれの未熟さをかえりみず、聖地を制御しようとし…
さらにあなたまで この争いに巻き込んでしまった。
今こそ私はそのあやまちを 正さねばなりません。
マスターソードを眠りにつかせ… 「時の扉」を閉ざすのです。
けれど… その時、時を旅する道も 閉ざされてしまいます…
リンク、オカリナを私に…
今の私なら、賢者として この時のオカリナであなたを 元の時代に帰してあげられます。
ハイラルに平和が戻る時… それが… 私たちの別れの時なのです…ね。
さあ帰りなさいリンク 失われた時を取り戻すために!
あなたがいるべきところへ… あなたがあるべき姿で…
王国の危機を救うためとはいえ、はからずもリンクの貴重な7年間の時を奪ってしまった事にゼルダ姫は罪悪感を感じていました。そこで時のオカリナを使ってリンクを元の時代(7年前)に戻す事にします。
リンクもゼルダ姫の想いをくみ取って、元の時代に帰っていきました。
エンディングの最後では、子供リンクとゼルダ姫が合うシーンで締めくくられます。
これはゲーム序盤のシーンとかぶりますが、この場面のリンクは魔王が倒された7年後の世界から帰ってきたリンクです。
ゲームの初めから終わりまでの時間の流れを簡潔に図で説明すると以下のようになります。
エンディング後の事は「時のオカリナ」内ではそれ以上語られる事はありませんでしたが、“未来”を知っているリンクとゼルダ姫が出会う事で歴史が改変され、全く別の時間軸に分岐します。
リンクはガノンドロフの計画の一部始終をリンク姫に伝える事で、ハイラルの危機を未然に防ぐことに成功します(ハイラルB)。
一方、魔王が倒された世界の方も、リンクがいない時間軸として存在し続けます(ハイラルA)。
これら2つのハイラル「A」と「B」はパラレルワールドという関係で別々の運命をたどっていきます。
他のシリーズ作品との関係
時間軸
「時のオカリナ」は魔王ガノンが倒される事で一応完結していますが、他の「ゼルダの伝説」シリーズ作品とストーリーが密接に関係しています。それらを図解したのが下の年表です。
「エンディングの解釈」の項で解説した通り、「時の勇者が現れた時間軸(ハイラルA)」と「時の勇者がいない時間軸(ハイラルB)」という2つの大きな流れが存在します。
時の勇者が現れた時間軸には、勇者がガノンを倒せたか否かによってさらに2つの世界に分岐します。
時の勇者が現れた時間軸(勝利ルート):
魔王を倒した 時の勇者リンク が去った数百年後の舞台が「風のタクト(GC)」で、その間に一度ハイラル王国は滅亡している事が語られています。
また「風のタクト」の続編として「夢幻の砂時計(DS)」、そしてその100年後の話として「大地の汽笛(DS)」へと繋がります。
時の勇者が現れた時間軸(敗北ルート):
時の勇者が魔王に敗れ去った後、七賢者が魔王を聖地へと封印します(封印戦争)。
その後、「神々のトライフォース(SFC)」でガノンを倒した新たな勇者は「ふしぎの木の実(GBC)」と「夢をみる島(GB)」でも活躍します。
その後、長い年月を経て「ゼルダの伝説1(FC)」と「リンクの冒険(FC)」へと繋がります。
時の勇者がいない時間軸:
魔王を倒したリンクが帰ってきてハイラルの危機を未然に救った世界の後日談として外伝的作品「ムジュラの仮面(N64)」があります。
その百数年後の世界が舞台の「トワイライトプリンセス(Wii/GC)」では「時のオカリナ」のエンディング後、ガノンドロフが封印された事などが語られています。
もっと詳しくは任天堂公式ガイドブック「ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説 大全」をどうぞ。謎に包まれていたゼルダ史が徹底的に解剖されています。
リンクとゼルダ姫
ゼルダの伝説シリーズに登場する主人公の名前はリンク、姫の名前はゼルダで統一されていますが、基本的に同姓同名の別人という位置付けです。
しかし下記にあげる3組のリンクとゼルダは同一人物です。
- 『時のオカリナ』と『ムジュラの仮面』のリンクとゼルダ姫
- 『風のタクト』と『夢幻の砂時計』のリンクとゼルダ姫
- 『神々のトライフォース』と『ふしぎの木の実』と『夢をみる島』のリンクとゼルダ姫
また『ゼルダの伝説1』と『リンクの冒険』のリンクも同一人物です(ゼルダ姫は別人)。