ものがたり

リンクは見知らぬ森の中にいました。 歩き出したリンクの耳に、助けを求める声が聞こえます。 声にする方に行ってみると、そこには魔物の群れ。 リンクの姿を見つけると、魔物は逃げ去ってしまいました。

襲われていたのは、ハイラルの王女ゼルダ姫の乳母、名前はインパ。 事情があって、ネールという歌姫を探しているのだ、と言います。
「アンタもいっしょに探してくれないかい?」
インパの異常なまなざしに、リンクは断る事ができません。 森には紋章のついた岩が。リンクは当たり前のように岩をどけますが、 インパは岩に手を触れようとしません。

さらに森の奥に進むと少女が歌を歌っていました。 まわりの動物たちにさそわれて、リンクは少女の歌に聞き入ります。 歌声は、透き通るように美しく響きます。 この少女こそがネール。インパの探していた歌姫です。 その姫ネールを探していたはずのインパが、大声で笑い出しました。
「ハーッハッハッハッハ!」

あたりが暗くなり、インパの体からおどろおどろしい影が現れます…!

「ネール。オマエが『時の巫女』だという事はお見通しさ! その体は、『闇の司祭』ベランがいただいたよ!」

ベランと名乗った「影」は縦横無尽に飛び回り、 おびえるネールに吸い込まれるようにして消えていきます。 目もくらむような光がネールの体から発せられます。

リンクは光に目が慣れて気付きます。ネールの様子がおかしい! ネールの顔は青ざめて、さっきまでの面影は消え失せています。 鋭く刺すような邪悪な視線…。 ベランがネールの体をのっとってしまったようです。

「ハーッハッハッハッハ! いまや時の巫女の力はアタシのもの! 昔へさかのぼるのも自由自在さ! 新しい時代が始まるよ。“暗黒時代”という名のね!」
ベランはそう言って、姿を消してしまいました。

ネールの本当の姿は、この世界「ラブレンヌ」の 時をつかさどる『時の巫女』だったのです。 巫女を失ったラブレンヌでは時の流れが乱れ 世界のあちこちで異変が起き始めています。 ベランはこうも言いました。「昔が変われば今も変わる」 ベランの狙いは時空を超えラブレンヌの人々から 「嘆き」の力を集め、「闇の世界」をつくることなのです。

果たしてリンクは、闇の司祭ベランの魔の手から、 ネールを救い出す事ができるのでしょうか? リンクに与えられた試練が、今、始まります…。