2004Dec25
コミック版「時のオカリナ」レビュー
1998年に発売されたN64の名作「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。そのコミック版について感想を書いてみたいと思います。
作者は姫川明先生、ちなみに「小学5年生」「小学6年生」で連載されていた作品のようです。
コミック版のストーリーは基本的にゲームをなぞった物になっています。
まず読み終わった時の感想は一言『短っ!』でした、
その為、かなり足早な展開なのがちょっと残念。特にダンジョン内では、入ってすぐボス戦に突入しますし。まあダンジョン内の探索を長々と描かれてもしょうがないので、これはこれで良いのかもしれないんですけどね。
アレンジ
コミック版ではかなりアレンジが加えられています。かなりゲームとは異なる展開もあり、新鮮で楽しめます。かといってゲームの雰囲気からも大きく違わないので、違和感があるということもありません。例えば序盤でリンクがコキリの村を出るまでを見てみましょう。
ゲーム:
デクの樹さまに会いに行こうとするがミドが通せんぼ→コキリの村で剣と盾を入手→ダンジョン・デクの樹→パチンコを入手→ボス『ゴーマ』を倒す→精霊石を入手→村を出発
コミック:
デクの樹さまに会いに行く途中でミドと喧嘩→デクの樹さまに異変、ミドと一緒に内部へ→ゴーマと戦闘→ミドと協力してゴーマを倒す→精霊石を入手→デクの樹さまの破片から盾を作る→村を出発する時、ミドが餞別として剣を手渡す
コミックではミドと一緒に戦ったり(全然役に立ってないけど)、ゴーマ戦で重要な役割をもつパチンコはリンクが自分で作った事になっていたり。そういう違いを探すのもまた楽しみの1つです。
コミック版の良いところ
ゲームではどうしてもおざなりになりがちな、リンクの感情がうまく表現されています。時には笑い、時には落ち込んでしまう。ゲームでは語られる事のなかったリンクの一面にほろりとしてしまう場面も多々。
特に時の勇者として7年の時を経て大人になったリンク、そこで見た光景に彼はショックを受けます。リンクにとっては一瞬でも、ハイラルの人たちにとってはつらく長い7年間。冒険を続ける中で何度もその現実に打ちのめされ、くじけそうになるリンク。そんな中、たくさんの人に支えられ、時の勇者として目覚めるリンクを見ていて勇気付けられました。
オリジナル要素
全部をあげていたらきりがありませんが、めぼしい事項をリストアップ。・子供時代のリンクと炎の神殿のボス『ヴァルバジア』の交流
・シークがガノンドルフに仕えていた
・リンクの生い立ちについて
・シーカー族について(シークの服の涙目のシンボルマークの意味など)
総評
月刊誌の連載漫画という限られた誌面で、「時のオカリナ」の壮大な物語を上手くまとめられた努力には脱帽します。ですのでページ数にとらわれる事なく、物語を深く掘り下げる事が出来たらもっとよい物が出来たのではないかと、それだけがとても残念です。特に「ゼルダの伝説」の醍醐味でもあるボス戦にもっとページ数を費やしてほしかったなぁと。でもそれ以外はおおむね満足しています。時の勇者としての苦悩、それを乗り越えて成長していく過程など、ゲームをプレイしただけでは分からなかったリンクの一面を垣間見られた事が一番の収穫です。おかげで「時のオカリナ」を一段と理解できた気がします。
N64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/zelda/index.html姫川明公式サイト
http://www.hiuri.com/姫川明先生のコミック版ゼルダの伝説作品リスト(Amazon.co.jp)
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